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【雑記】独り言:百人一首

散歩中、まわりに誰もいないと独り言をずっと言っている。まわりに人がいる時はやっていない。もしかして自分はやべーやつなのかもしれないが、みんなも歌ったりするよな?よな?(確認)

独り言は色々あるが、ラジオパーソナリティになった体で喋ることが多い。最近あった気になる出来事をオープニングトーク風に喋ったり、架空のお便りをひたすら読んだり。小一時間ずっと喋っていて、他人とすれ違いそうな時だけ小声になる。すれ違いざまに驚いた顔をされることがあるので、独り言を言っているのはたぶんバレている。

今日も6kmくらい誰もいないエリアを徘徊してながら、独り言を言っていた。今日は「小倉百人一首、100首思い出せるかなチャレンジ」だった。

中学校時代に国語の授業で覚えさせられて以来、頭さえ分かれば100首ぜんぶ暗唱できる。決まり字で取ったり、詠み人の名前をすべて答えたりはできない。なぜなら丸暗記だから。崇徳院や小式部内侍が詠んだ歌は分かる。小式部内侍は母である和泉式部と比べられて「アタシだってちゃんと和歌詠めるんですけど!」と大江山の歌を詠んだ話を、高校の古典の時間にやったので覚えている。崇徳院は落語『崇徳院』を聞けば忘れない。年末に聴くのがオススメ。

さて100首はできるのだが、「頭さえ分かれば」なのである。まず頭が思い出せるか勝負。30首くらい言ったくらいで、どれを言ってどれをまだ言っていないのか、だんだん分からなくなってくる。順番もよく分からない。天智天皇(秋の田の~)が1番なのはわかる。それだけ。

とりあえず「あ」で始まる歌が17首あった気がするので、しらみつぶしに言ってみる。

ああ、あい……「あいみての」……あう……「おうことの」……これは「あふ」か……それを言ったら「あひみての」じゃん……あえ……あお……

「あさぼらけ あ」「あさぼらけ う」「あさじうの」のあさシリーズもクリア。意外と順調だ。

と、思いきや「あわじしま(あはぢしま、なので“は”なんですけどね!)」を言った後、数えてみると15首しか言えていないことに気づく。いきなりダメじゃん。

 

そこで作戦変更。少なくとも決まり字1字の「むすめふさほせ」はぜんぶ言えるに違いない。

むらさめの、めぐりあいて、ふくからに、さびしさに、ほととぎす、せをはやみ……す……す……?

すえのまつやま……は下の句だし、すまのせきもりはさっき言った(あわじしま)。す……す……ってなんだ……?(敗北)

バツグンの記憶力を誇ったのも在りし日の栄光、今や見る影もなく、記憶力を上回る忘却力が「す」で始まる百人一首ひとつ思い出すことを許してくれない。きっと大阪在住の人ならパッと思い出せるのだ、しかし私は東の民。結局帰宅まで思い出せなかった(住之江区のみなさん、ごめんなさい!)(別に謝る必要はないか)

今度、時間をかけて「百人一首、最後まで思い出せない歌はどれだ!?オレ的最も影薄百人一首選手権!」でもやろうかな。

 

ところで、私は百人一首丸暗記マンなので、意味や内容が分かっているわけではない。文の切れ目がどこなのかや、正しいイントネーションなどもよく分かっていない。

文法はちょっとわかる。「……を……み」が「……が……なので」というのは高校古典で覚えた。「とまをあらみ」とか「せをはやみ」とかのやつ。あと「……もがな」は「てしがな」「にしがな」シリーズで、「……たい」という願望を表すやつね。それは覚えている。「人に知られで来るよしもがな」とかのやつ。

それ以外まったく覚えていないので、独り言なのにヘンに“もにょもにょ”してしまう。みんなもあるでしょ、意味もわからず覚えている呪文。「カミノマニマニ」とか。

 

私の場合はこんな具合だった。

「ありまやま~ いなのささはら~かぜふけ~ば~ いでそよひとを わすれやわする~」

……「いでそよひと」ってなんだ。「いでそよ/ひと」?「いで/そよ/ひと」???「ひと」はたぶん「人」だ。

あー中学の時「有馬(ありま)くん」「稲(いな)君」「井手(いで)くん」っていたな。何してるんだろうね、彼ら。

いや、彼らはどうでもいい。気になるのは「わすれやわする」の部分。リズム的に「忘れや/忘る」みたいな感じがする。「踊れや踊れ」的な。たぶん文字だと「忘れやはする」で「やは」は疑問・反語の「やは」なんだと思う。プルヤッハ。

一生こんなことを考えて、喋りながら歩いている。ツイキャスとかスペースとかで誰かに聞いてもらおうと思ったこともあったが、完全にマイワールドすぎて、(この人今なんの話してるんだ???)とリスナー置いてけぼりにしちゃうので、たぶんやらない。置いてけぼり、木彫りっぽいな。あれ、置いてきぼりか?むむむ。

おしまい